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心葉 kokoloha

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2016年 09月 27日

弱食強与

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屋久島で自然に寄り添いながら暮らしていると今まで都会で教えられてきた常識に違和感を感じることがある。今日は「弱肉強食」という言葉について。

弱い者は肉となり強い者がその肉を食す。という強烈な恐怖感をうえつけるこの四文字熟語に都会人だった僕は無意識のうちに溺れていたように思う。

自然界において、人間が弱者になることはない。人間界においては、がんばって勝ち組にならないと。

この2つの感情の名のもとに、他の生きものに許しを得ることなく傲慢な態度で自然を破壊しまくり、他国の脅威を不安がる衝動が軍需産業を強大なものにしている。

屋久島の自然と対峙していると、捕食される生きものはいつも穏やかに命を渡していることに気づく。

ニワトリを締めるとき、彼らの態度は、僕にはとてもできないほど静けさのうちにいる。僕だったら、命を他者に譲ることを許容できず、気が狂ってしまうだろう。

写真の見方は自由が基本だけど、この写真だけはセミを主体にどうか見てほしい作品です。セミはヤられたのではなくて、弱者のカマキリに命を譲っているのだと。そういう見方をすると僕の中で不思議とカマキリの怖さがゆっくりと消えていき、カマキリの動きが臆病でコソコソしてるように見えてくるから不思議です。

カマキリの鋭い腕は、現代の人間がやっきになって作り続けている兵器にみえます。

弱い者ほど強力な暴力を渇望し、依存している。

でも、この星がうまく回っているのは、非暴力的で見返りを求めないGiftを与え続けている無言の強者がいてくれるからだと、この捕食シーンに、いやいや、違った。この命を譲るシーンに出会ったときに思いました。

弱食強与。

by wazofamily | 2016-09-27 09:29 | 自然に生きる


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