漁(魚?)サンとは、漁師さんが船で使うサンダルで船のデッキでも滑らない優れものだ
東京の街中ではいていると 便サン(便所サンダル)と間違われクスクスとよく笑われた
都会にいながら何かいつも小笠原の地を歩いているようで 他人にバカにされても なんのお構いなし!僕はこよなく漁サンを愛し続けている
漁サンとであったのは小笠原だった
学生時代の所属していたダイビングクラブの幹事として小笠原に来たときだった
色んな希望と悩みをもち込んでぶつかった合宿は今も大切な思い出として心にある
あの時の未熟さがもってきた悔しい後悔と 仲間と過ごした感動の日々を忘れたくなくて
小笠原で買った漁サンを大切にしていた
しかし漁サンの弱点は砂浜を走り回ったりすると きまって親指と人差し指の間の部分が切れてくる
その度にその裂け目を釣り糸で縛り直す
そうやって漁サンと友にここ5、6年を生きている
直さなければ 軽く10足は買い換えているだろう
今 屋久島で愛用している漁サンは三代目
三代目は便所にありそうな 渋い緑色だ
一代目は薄い茶色 二代目は濃い茶色・・・
親爺くさい色に惹かれてしまう自分のことをなぜかたまらなく気にいっている
漁サンは学生時代の大切な教訓と
修理しながら物を大切にすることの楽しさを教えてくれた
かけがえのない宝だ
一日でも早く漁サンの似合う親爺になりたいものだ
そのために日々頑固に夢を貫こう
モノをなおす時間は過去ふり返る大事なひととき
俊蔵より